Laserレーザー治療
日帰りで尿もれ治療が可能なレーザー治療機器「フォトナ社インティマレーザー」を導入しました。
その他にも、骨盤臓器脱や GSM(閉経後尿路性器症候群)などの治療にも活用することができます。
中四国地方で導入されているクリニックは2022 年 10月現在では当院のみとなっております
FOTONA社インティマレーザー
欧州の老舗レーザーメーカーであるフォトナ社が開発した医療用レーザー治療機器です。
米国FDAや欧州MedicalCEで認可されている医療機器で、世界では尿もれ治療に対する高い臨床効果と安全性が証明されています。
インティマレーザーの特徴Features
- Point1切開せずに治療が
できる - Point2出血や痛みが
あまりない - Point3短時間で
施術可能
- Point4治療後すぐに
日常生活に戻れる - Point5妊活中や閉経後
でも施術可能
このような症状の治療に対応しています
- 腹圧性尿失禁
- お湯もれ
- 過活動膀胱
- 骨盤臓器脱
- 萎縮性膣炎
- 膣の弛緩
- 閉経後尿路性器症候群(GSM)
閉経後尿路性器症候群(GSM)について
GSM(Genitourinary Syndrome of Menopause:閉経後尿路性器症候群)とは、閉経による女性ホルモンの低下によって起こる、外陰部や膣粘膜の萎縮や乾燥による痛みや不快感などの症状です。
一般にGSMは女性ホルモン補充療法が主な治療法となりますが、効果の無い方や乳がん治療などによってホルモン剤を使用出来ない方には、効果的な治療手段がありませんでした。レーザー治療は粘膜の血流を改善させコラーゲン組織を再生するため、GSMに伴う痛みや不快感を改善させる効果が示されています。
「エルビウムヤグレーザー」という特殊なレーザーを膣壁等に照射して、粘膜や筋膜のコラーゲンの再生、新生、増生を促進します。また、インティマレーザーのスムースモードという技術により、粘膜表層への刺激を最小限にしながらより深層にまで熱を伝えることができます。既存のレーザーは膣の入り口付近の照射が中心でしたが、インティマレーザーは膣奥から膣口までに満遍なく照射することができ、奥までしっかりと引き締める効果が期待できます。
当院ではロボテックアーム(Gランナー)を搭載したレーザーを導入しているため、高い精度で照射を行うことができます。
40 歳以上の女性では、3 人に 1 人が尿もれを自覚していると言われています。しかし、尿もれはなかなか相談しにくい症状ですので、悩みをかかえて暮らしている方が多くおられます。
現在、尿もれに対しては投薬治療と手術治療が、我が国における標準治療となっています。しかし投薬治療では副作用や薬の継続の必要性などといった問題があります。また投薬治療が有効でない方には手術治療がありますが、効果的である一方、メスを入れることや異物が入ることに抵抗がある方が少なくありません。このインティマレーザーによる治療は、薬での治療では不十分、しかし手術するほどではないという方にとって、新たな治療選択肢の一つとなります。
インティマレーザーの治療の流れFlow
治療に入る前に
レーザー治療が適応するのか、治療が行える状態なのか、患者さん自身の希望と治療がマッチしているのかなど、必ず事前に診察を行います。診察の結果、治療適応外や効果が期待しにくい場合には、他の治療法をお勧めさせていただきます。
以下が治療の流れとなります。施術は婦人科と同じ検診台での施術となります。
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麻酔クリームの塗布
膣内は熱や痛みを感じにくいですが、膣の入り口付近は熱を感じやすいため、麻酔クリームを塗ります。麻酔が効いてきたら治療を開始します。
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レーザー照射
膣内洗浄後に、スペキュラムを膣にゆっくりと挿入します。その後、スペキュラム越しにアプリケーターを用いてレーザーを照射します。
治療内容に応じて、膣口や尿道口周囲、場合によっては尿道内などにレーザーを追加照射します。- 膣前壁用アプリケーター
(尿漏れ) - 膣全周用アプリケーター
(膣の引き締め) - 膣口・尿道口用アプリケーター
- 膣前壁用アプリケーター
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治療終了
治療後はすぐにいつもの通りの生活を送ることができます。インティマレーザーに搭載された「Fotona Smoothモード」により、粘膜表層への刺激は最小限にして深層を加温することができるので、ダウンタイムはほとんどありません。ただし、性生活・タンポンの使用など膣内になにかを挿れることは3日間程度控えてください。また一時的におりものが増えることがありますので、生理用ナプキンやおりものシートなどをご用意いただくことをお勧め致します。
治療費用Price
インティマレーザーの治療は自費診療となります。当院は、基本的に保険診療の病院です。保険診療で改善が認められるものは、保険診療をお勧めします。しかし、一部保険診療では十分に治療できない病状や、個々の事情があります。そのような場合に自費診療をご案内いたします。
尿道レーザー | 基本料金 33,000円(税込) |
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膣レーザー | 基本料金 77,000円(税込) |
外陰レーザー | 基本料金 55,000円(税込) |
- こちらのメニューから、治療に最適なものを組み合わせて行います。
また、上記価格は基本料金となります。
照射範囲や回数などにより異なりますので、詳しくは事前の診察の際にお尋ねください。
治療回数の目安
治療回数の目安は、軽度の方で1~2回、中程度以上の方で2~3回以上となります。若年の方は1~2か月間隔、年配の方は2~3か月間隔による施術が基本となります。
症状 | 回数 |
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尿失禁(軽度)、お湯もれ、萎縮性膣炎(軽度)、膣の弛緩 | 1〜2回 |
腹圧性尿失禁、混合性尿失禁、萎縮性膣炎(中等度以上) | 2〜3回 |
骨盤臓器脱 | 4〜5回以上 |
- 治療効果の程度には個人差があります。また全ての方に必ず効果があるわけではありません。
- 年齢とともにコラーゲンが減少するため、治療効果は永続的では無くメンテナンス治療が必要になることがあります。
インティマレーザー治療の合併症について
合併症については重症化報告は現在のところなく、一時的な症状が発生する可能性に留まっています。
報告された合併症は以下のとおりです。(腹圧性尿失禁治療の場合)
合併症 | 頻度 | 経過・傾向 |
---|---|---|
膣粘膜の腫れ | 100.0% | 一時的なもので、48時間程度で改善 |
痛み(麻酔なしの場合) | 14.7% | 膣が萎縮傾向の方に多い |
痛み(治療後) | 4.3% | 一時的なものですが、膣が萎縮傾向の方に多い |
表面の火傷 | 1.6% | 軽度で7〜10日で治癒 |
出血 | 3.7% | 軽微な出血で、膣が萎縮傾向の方に多く、数日以内で止血 |
おりものの増加 | 5.4% | 一時的なもので、最長で1週間程度で改善 |
一過性の尿失禁 | 3.2% | 一時的なもので、最長で3週間程度で改善 |
- レーザーでの治療は安全性が高く副作用・合併症が少ないことが特徴ですが、想定外の合併症が起こる可能性はゼロではありません。そのような場合は適切に対応いたします。
- この診療には本国における未承認医療機器・医薬品が含まれます。承認を受けていない医療機器・薬剤について個人輸入された医薬品の使用によるリスクに関する情報はこちらをご確認ください。
注意事項Attention
下記の方は、インティマレーザーによる治療を受けることができません。あらかじめご了承ください。
- 重大な皮膚疾患がある方(傷、炎症等の施術部位の皮膚疾患含む)
- ヘルペスやカンジタなどの感染症にかかっている方
- 麻酔薬アレルギー等の麻酔トラブルのある方
- 膠原病などの自己免疫疾患、又は重症の糖尿病や高血圧のある方、心疾患のある方
- 抗凝固剤や抗血小板薬を服用されている方
- ペースメーカーまたは自動除細動器、心臓除細動器を使用されている方
- 金属製のインプラントが治療部位に存在する方(口腔内は問題ありません)
- 妊娠中の方
- 出産直後で性交渉の許可が出ていない方
- その他、悪性腫瘍のある方や治療に支障がある薬剤を使用されている方など、医師の診察で困難と判断に至った方
- 生理期間中は普段より皮下出血を起こしやすく痛みも感じやすくなる可能性があり、治療を避けています。